季節の草花 夏

更新日:2015.11.25

カテゴリ:自然

ノイバラ(野茨)

ノイバラ (野茨)

北海道西南部から九州、朝鮮半島に分布する落葉の低木、秋には美しい赤い実をつけます。シューベルトやウェルナーの歌曲のような清楚な花が初夏に咲きます。聖湖周辺で撮影しました。日当たりのよい荒地に群生し稀に大きな薮となってやっかいもの扱いもされますが、初夏の花時や秋の小さな赤い果実には癒しの効果もありそうです。別名ノバラ。
バラ科 バラ属

ヤマボウシ(山法師)

ヤマボウシ(山法師)

本州~九州、朝鮮、中国に分布する落葉高木。高さは15mほど。中央の丸い花穂を坊主頭に、4枚の白い花びらを白い頭巾に見立て、比叡山延暦寺の山法師になぞらえたといいます。秋には実がイチゴのように赤く熟す。花水木とよく似ているが、咲く時期は6~7月で花水木より1ヶ月ほど遅いのと、花の先端がとがっている(花水木は丸い)ことから区別できます。太平洋側の山地に多く里山の二次林の主な構成種の一つです。
ミズキ科 ヤマボウシ属

オカトラノオ(岡虎尾)

オカトラノオ(岡虎尾)

北海道~九州、朝鮮、中国、ウスリーに分布。日当たりの良い草原や山道の道端や斜面によく見られます。多年生草本。名前の由来は、長く伸びた花序をトラのシッポに例えたもの。この仲間には水湿地に生育するヌマトラノオと区別としてオカをつけたものです。初夏に白い花が咲きます。
サクラソウ科 オカトラノオ属

ノハナショウブ(野花菖蒲)

ノハナショウブ (野花菖蒲)

北海道~九州、朝鮮、中国東北部、シベリア東部に分布。山地の湿原にみられる多年草。高さは80cmくらいです。夏に開花。アヤメ、カキツバタ、ノハナショウブの3種類はいずれアヤメかカキツバタなどといわれ区別が難しいが葉身には、偽の中央脈があって、はっきりしている点で、アヤメやカキツバタと区別しています。また、ノハナショウブの外花被片は黄色いすじとなっているが、カキツバタの外花被片は白っぽいすじとなっている。アヤメは紫色の網目模様となっています。
アヤメ科 アヤメ属

ラベンダー

ラベンダー

北山の峰田さんのラベンダー畑が見ごろをむかえています。自由に見学や摘み取りができます。

ヤマホタルブクロ(山蛍袋)

ヤマホタルブクロ (山蛍袋)

ホンドホタルブクロともいい、本州の中部に限って分布する多年草です。日本や中部の山野に普通に見られます。属名のCampanulaは「小さな鐘」の意味で、花の形からきているそうです。紅紫色花の群生の中に1輪だけ白い花が咲いていました。がく裂片間に中間付属体がなくホタルブクロとは区別されています。
キキョウ科 ホタルブクロ属

ウツボグサ(靫草)

ウツボグサ (靫草)

東アジアの温帯に広く分布しています。山野の草地や道ばたに生える高さ10~30cmの多年草。葉は対生し、長さ2~5cmの長楕円状披針形。6~8月頃茎の先に長さ3~8cmの花穂をつくり紫色の唇弁花を密につけます。和名は、花穂を矢を入れるうつぼに見立てたからといいます。靫草の意味で、花穂の形がウツボ(靫)に似ていることから名前がつけられました。靫とは、昔、武士が矢をさして背負った武具のことを表しています。別名カコソウ(夏枯草)。
シソ科 ウツボグサ属

ヒメザゼンソウ(姫座禅草)

 ヒメザゼンソウ (姫座禅草)

北海道~本州、朝鮮に分布。ザゼンソウに似て、湿った林の下でひっそりと咲くとても小さな花で、花の仏炎苞の高さは数㎝しかありません。花の咲く夏には、葉が枯れています。聖高原では湿地に群落をつくっていてとても見事です。8~9月に暗紫色の仏炎苞に包まれた小さな花が咲きます。
サトイモ科 ザゼンソウ属

ヤマアジサイ(山紫陽花)

ヤマアジサイ (山紫陽花)

本州、福島県以南の太平洋側、四国、九州に分布しています。高さ2m位、林の縁や林の中などに生えています。葉は対生、周囲にがく片3~5枚の飾り花が付いています。花の色も薄紫、青紫、白など色々なものがあります。花は6~8月に見られます。よく似た種類に日本海側の多雪地に分布するエゾアジサイ、関東地方南部以西~九州の海岸付近に分布するガクアジサイなどがあります。
アジサイ科 アジサイ属

グンバイヅル(軍配蔓)

グンバイヅル (軍配蔓)

長野県の中北部と群馬県の狭い範囲に分布する多年草。実が、軍配に似ていて、茎が蔓のように地上を這って、増えることから名づけられました。別名で「マルバクワガタ(丸葉鍬形)」とも呼ばれます。聖高原にも、わずかに自生しています、7~8月に咲きますが今年は開花が早く、本日コバルト色の可憐な花を確認しました。
ゴマノハグサ科 クワガタソウ属

ミソハギ(禊萩)

ミソハギ (禊萩)

北海道~九州、朝鮮に分布。水場を好む多年草。紅紫色花が7~8月に咲きます。しばしば群生していて遠くからでも目立ちます。盆花ともいってお盆の供花にも利用されています。茎や葉に突起状の短毛があるエゾミソハギと混同され易い。名は旧盆に枯葉で禊をしたことによるといいます。
ミソハギ科 ミソハギ属

キンミズヒキ(金水引)

キンミズヒキ (金水引)

北海道~九州、朝鮮、中国、台湾、千島、サハリン、シベリア、インドシナ半島の広い地域に分布するバラ科の多年草。細長い花序が、タデ科のミズヒキに似ていることから、金色の水引という意味でこの名がつけられたといいます。7~8月に金色の花が咲き、秋にはがく筒にかぎ状の刺がある果実が熟し動物の毛などについて他の地に運ばれます。
バラ科 キンミズヒキ属

ウバユリ(姥百合)

ウバユリ (姥百合)

本州~九州に分布。日本固有。主に谷筋などの明るい落葉広葉樹林下に生育するが、路傍などにも育成する。地下に麟茎(百合根)がある。早春、ユリ科とは思えないような卵形の根生葉を広げる。花を付けるものは少ないが、鱗茎が大きく育ったものでは、7月から8月にかけ、高さ1mほどの花茎を伸ばし緑白色のユリに似た長さ7~8cmの花が咲きます。花は長さ7~10cmで、花被片は緑白色。内部には褐色の斑点があります。ウバユリの和名は「姥百合」であり、花が咲く頃には基部の根生葉(歯)がなくなるからであるといわれています。花は横を向いて咲きます。
ユリ科 ウバユリ属

ヤナギラン(ウスゲヤナギラン)(薄毛柳蘭)

ヤナギラン(ウスゲヤナギラン) (薄毛柳蘭)

高原の草地に生え、高さ1~1.5m葉は長さ7~15㎝で多数の支脈があり、縁は多少裏側に曲がる。本州中部のものは葉裏脈上などに白毛がありウスゲヤナギランとされています。花期7月~8月で花は径2㎝余りで、がく片は4枚、花弁も4枚で紅紫色。まれに白花品があり、シロバナヤナギランといっています。種子は白く長い冠毛で飛散する。名は葉が柳に似、花がランの花に似て美しいからといわれてます。聖高原では7月中旬頃が花の最盛期です。訪れた人々は歓声をあげて楽しんでいます。
アカバナ科 アカバナ属

コバギボウシ(小葉擬宝珠)

コバギボウシ (小葉擬宝珠)

北海道南部~九州に分布。日本固有種。属の中では一番大型の多年草で初夏から秋にかけて白、淡紫紅色の花を咲かせますが、花の寿命は短く一日でしぼんでしまうために「デイリリー」という英名があります。若い芽は山菜として利用されています。地方によって呼び名はまちまちですが「うるい」と呼ばれる山菜はこのギボウシのことです。形態的な変異が多く地方によっていろいろな名前で呼ばれています。聖高原にはナメルギボウシやコバギボウシも同じ頃に開花し高原に彩りを添えています。
ユリ科 ギボウシ属

カワミドリ

カワミドリ

北海道~九州、朝鮮、中国北部、アムール、ウスリーに分布。山地の草原や林緑に生える多年草。植物全体に独特の強い香がある。淡紅色花で7~9月頃太い穂状に多数集まって咲き目立ちます。
シソ科 カワミドリ属

ツユクサ(露草)

ツユクサ (露草)

北海道~九州、朝鮮、中国、サハリンに分布。6~9月に咲き、大形で鮮やかな青色の2個の花弁が目立ちます。夏の田畑の雑草の代表でもあり最近は荒地などに大繁殖しているのをよく見かけます。茎の先端にハート形をした2枚貝のような苞葉(ほうよう)がある。その中に数個のつぼみがあって、苞葉の間から、花弁が突き出すように出ます。花は早朝に咲いて午後には閉じてしまいます。
ツユクサ科 ツユクサ属

ツリフネソウ(釣船草)

ツリフネソウ (釣船草)

北海道~九州、朝鮮、中国東北部に分布。山の湿地に生える一年草。茎は高さ40~80cm程度。上方の枝には暗紅色の太い毛がまばらに生えています。葉のヘリには細かい鋸歯がならぶ。花は径3cm、紅紫色花で7~9月頃咲きます。帆掛舟をつり下げたように見えることからこの名が付いたといわれています。黄色い花を付けるのはキツリフネといいます。
ツリフネソウ科 ツリフネソウ属

エゾカワラナデシコ(蝦夷河原撫子)

エゾカワラナデシコ (蝦夷河原撫子)

北海道~本州(中部以北)、ユーラシアの中部以北に広く分布する。撫子(なでしこ)は、カワラナデシコのことをいいますが、時にはナデシコ属を総称していることもあります。秋の七草の一つ。日当たりのよい河原や山野に生えています。最近では園芸品種も多くなっています。カワラナデシコは別名ナデシコともいいます。また、撫子は可憐な花のようすによるといわれます。6~9月に淡紅色の花が咲きますが、生育地によって花色の濃淡に変化がみられます。 ※カワラナデシコ、エゾカワラナデシコ、タカネナデシコはやや区別がむずかしい。また、区別がはっきりできない個体もしばしば見られます。村内のものはエゾカワラナデシコとされています。(村誌参照)
ナデシコ科 ナデシコ属

エダウチヨツバハギ(枝打四葉萩)

エダウチヨツバハギ (枝打四葉萩)

ヨツバハギの花柄が多く花が密につく形で変種として発見されました。聖高原、東山に極々稀に見られます。花柄が5~8本と多いです。7~8月に紅紫色~青紫色の美しい花が咲きます。
マメ科 ソラマメ属

フシグロセンノウ(節黒仙翁)

シシウド (猪独活)

本州~九州に分布。日本固有。低山帯~高山帯の山地に見られます。高さ60~90cm。日本海側の多雪地域には少ないようですが聖高原では以前はたくさん見られたといいます。節はふくらんで暗紫色を帯びる。夏から秋にかけ、茎頂に径約4㎝の朱紅色の五弁花が咲きます。ナデシコの仲間では大きな花で人目をひきます。
ナデシコ科 センノウ属

ワレモコウ(吾亦紅、吾木香)

ワレモコウ (吾亦紅、吾木香)

昔から広く親しまれている山野草の一つ。平地から高山まで幅広く生えるバラ科の多年草。高さは30センチから1mになる。花は7月から11月にかけて1、2cmの楕円形の赤紫色の花をつける。これは花びらのない小さな花の集まり。
バラ科 ワレモコウ属

サラシナショウマ(晒菜升麻)

サラシナショウマ (晒菜升麻)

北海道~九州、朝鮮、中国、千島、シベリア東部に広く分布。山地の湿った林下、草原に見られる多年草。高さ1m程度。夏に白色の小さな花が多数あつまった比較的大きな花序をつけ草原ではよく目立ちます。サラシナとは、若菜を茹でて晒して食用する意味だといいます。この花穂が風にゆれる様子が高原を引き立てています。
キンポウゲ科 サラシナショウマ属

シシウド(猪独活)

シシウド (猪独活)

本州~九州に分布する。日本固有種。山の草原に生える大型の多年草。茎の高さ2mほどで茎や葉に細かい毛がある。8~9月頃茎頂につく花序に白色の小さな花が多数咲きます。花径をつけるまでに4~5年かかり、花が咲いて実をつけると枯れてしまいます。秋に咲く花は淡い緑白色の花になります。根を乾燥させると、風邪やむくみの薬になります。よく似ている花にシラネセンキュウがあり混生して咲いています。
セリ科 シシウド属


このページの先頭へ戻る